SharePoint Onlineでも「対象ユーザー」機能が使えるようになったので、
どのような動きをするのか、どういう場合に使うのかをまとめました。
ついでにSharePoint Serverでの「対象ユーザー」機能との違いも簡単に解説します。
はじめに
「対象ユーザー」機能は、サイトに表示する情報をパーソナライズし、よりユーザーに適したコンテンツを表示するための仕組みです。サイトに格納された情報のセキュリティを強化する目的で利用するものではありませんのでご注意ください。
機能の内容はSharePoint OnlineとSharePoint Serverとで異なります。Microsoftの公式ページでも別々に解説されています。
違いは制御できる範囲とユーザーの指定方法にあります。
制御対象 | 説明 | Online | Server | |
---|---|---|---|---|
リスト アイテム/ファイル | ニュースなど検索型のWebパーツにアイテム/ファイルが表示されるか否かを制御 | 〇 | 〇 | |
ナビゲーション リンク | サイドリンクバー、トップリンクバーにリンクが表示されるか否かを制御 | 〇 | ||
Webパーツ | Webパーツ自体が表示されるか否かを制御 | 〇 | ||
制御に利用するグループ | ||||
SharePoint グループ | SharePoint サイト情報で作成するグループ | 〇 | ||
Office 365グループ | SharePoint Onlineで作成するグループ | 〇 | ||
配布リスト | ADで作成するグループ | 〇 | 〇 | |
メールが有効なセキュリティグループ | ADで作成するグループ | 〇 | 〇 | |
セキュリティ グループ | ADで作成するグループ | 〇 | 〇 | |
グローバル対象ユーザー | SharePointの全体管理で作成するグループ | 〇 |
以下、SharePoint Online向け機能について解説します。
ユーザーから見た挙動
例えば「ニュース」Webパーツで対象ユーザーの設定をすると、ユーザーによって表示される結果が違ってきます。下図の例をご覧ください。
ただ、「ニュース」Webパーツで「すべて表示」を押した先では、対象ユーザーの設定有無に関わらずすべてのアイテムが表示されています。
また、ニュースの投稿先であるページ ライブラリでも同様に、すべてのアイテムが表示されます。
ご覧の通り、対象ユーザー機能は「一部アイテムをあるユーザーに表示させない」といったようなセキュリティ目的の機能ではなく、「トップページに表示するアイテムをよりユーザーに適した情報に絞る」といったパーソナライズを目的とした機能であることが分かります。これはSharePoint Server向け機能でも同様と考えられます。
設定方法
リスト / ライブラリの設定
対象ユーザー機能を利用するには、まずアイテムの格納先となるリスト / ライブラリで対象ユーザー機能を有効化します。
リスト / ライブラリを表示 > 右上歯車 > リストの設定 / ライブラリの設定 > 対象ユーザーの設定 と順にリンクを踏んでいき、対象ユーザー設定を有効化します。
リスト アイテム / ファイルの設定
対象ユーザー設定を有効化すると、リスト / ライブラリに「対象ユーザー」という名前の特殊な列が追加されます。アイテム / ファイルに対象ユーザーを設定するには、この列の値を編集します。
Webパーツの設定
Webパーツ側でも対象ユーザーを扱うための設定が必要です。Webパーツのプロパティ内に設定箇所があります。
以上、参考になれば幸いです。